2020年2月27日

建機・重機ってどんなもの?建設現場で見かける機械についての基礎知識

工事中のビルと建機・重機の写真

建機・重機はよく見かける機械ですが、どれが建機でどれが重機なのか、何に使われるものなのか、詳しくご存知でしょうか。この記事では、建機と重機はどう違い、どこでどんなふうに使われているのかなど、建機・重機の基礎知識を紹介します。

建機・重機とは

建機・重機とは、建築工事や土木工事に使われている機械全般のことを指します。「作業用ロボット」ということもあり、大型機械のイメージがありますが、サイズは様々で小型のものも多く存在します。機能も多様で、汎用(はんよう)機械だけでなく、特殊な用途にだけ使われる機械もあります。

建機・重機には明確な線引きはなく、重複している部分や混同されている部分も多いですが、一般的には次のようなイメージと捉えると分かりやすいでしょう。

建機とは

建機は建築機械(construction equipment)の略で、土木・建設工事などの作業に使用される作業機械全般のことをいいます。大きさも機能も様々で、自走する車両だけでなく、大型の固定式機械や手持ちの小型機械も含まれます。

重機とは

重機(heavy equipment)は、土木・建設工事などに使用される動力機械です。自走する車両で、オペレーターが乗り込んで操作するのが一般的です。ディーゼルエンジンで動くものが多く、足元が無限軌道になっているものもあります。

建機と重機の違い

建機の方が広い範囲を指している言葉で、重機はその建機の中に含まれます。ただ実際には、あまり区別せずに使っている場合が多いと考えてよいでしょう。

建機・重機の基礎知識

ここでは、建機・重機がどんなものなのか、概要について見ていきます。

操作と運転にはそれぞれ免許・資格が必要

建機・重機を扱うには、公道を運転するための免許と、現場で操作するための資格がそれぞれ必要です。

公道で運転するためには運転免許が必要で、運転する建機・重機によって中型自動車免許や大型自動車免許、大型特殊免許に分かれます。

工事現場で操作するためには、建設機械施工技士、建設機械整備技能士などの資格が必要です。建設機械施工技士は各種建設機械を使用した施工、建設機械整備技能士は各種建設機械の整備を行うための資格となります。

操作する建機・重機の種類や用途によっては、それぞれに合った技能講習の修了が必要となり、同じ建機・重機でも、用途に応じた異なる技能講習が必要になることもあります。

必要な資格を持たずに建機・重機を操作することは違法で、作業者だけでなく事業主にも罰則が科されます。

動力は何?

小型の建機・重機はガソリンの場合もありますが、大型のものはほとんどがディーゼルエンジンです。

ディーゼルエンジンの建機・重機は、自動車排出ガス規制(排ガス規制)やディーゼル車規制条例の対象です。排ガス規制の対象となる古い車両は規制に合わせた対策を行ってあり、後部に排出ガス対策済のステッカーが貼ってあります。平成21年のポスト新長期規制以降に生産された車両は規制対応済みです。

なぜどれも派手な色合いなの?

現場での事故防止のため、黄色や明るい緑など視認性の高い色がよく使われています。

鍵は共通って本当?

従来、建機・重機の鍵には少ない種類しかありませんでした。現場では何人ものオペレーターが機械を操作するため、利便性を考え鍵を受け渡ししなくても済むようにしていたのです。しかし、これを利用した建機・重機の盗難が多発し、その盗難された建機・重機が犯罪に利用されることも増えました。

そこで最近は、電子キーを使ったり、GPSで建機・重機の位置管理をしたりして盗難を防いでいます。

中古市場やレンタル市場も大きい

建機・重機は非常に高価な機械であり、工事中だけレンタルして使うことも多いのが現状です。特殊な作業用の機械は特に使用頻度が低いので、一般的にレンタルサービスの割合が大きくなります。

また、建機・重機は中古市場も大きく、日本製の建機・重機の中古は海外市場でも人気です。詳しくは、次の記事を参照してください。

リンク「中古建機・重機を買うメリットは?新車購入、レンタルとの違い」

リンク「建機・重機のインターネットオークションが注目されるワケとメリット」

建機・重機の主要カテゴリー

次に、建機・重機の代表的なカテゴリーを紹介します。

ブルドーザー

トラクターの前面にブレードと呼ばれる部品を外向きに装備させたもので、土砂をすくって運びます。乾地用と湿地用があり、足元は無限軌道になっています。

  • サイズ:乾地用で運転質量8tから100t超、湿地用で運転質量8tから28tなど、何種類ものサイズがあります。
  • 用途:土木工事、建設現場、ダム、宅地造成、岩石処理など、様々な現場の整地・押土用として活躍します。アタッチメントを交換することで、溝堀りやパイプ埋設といった作業にも使うことができます。

油圧ショベル

ユンボ、バックホー、パワーショベルなどとも呼ばれます。関節を人の腕のように伸び縮みさせて、先端のバケットで土砂の掘削や積み込みを行う建機・重機です。バケットは内向きで、足元は無限軌道になっています。

  • サイズ:バケット容量0.01立方メートル、運転質量500kgからバケット容量3.90立方メートル、運転質量85tまで、様々なサイズがあります。
  • 用途:多くのアタッチメントがあり、土木工事、建設現場、林業での間伐、農地の水路整備、鉱山での採掘、配管埋設など幅広く活躍します。

ホイールローダー

積み込みと運搬の全般に使われる建機・重機です。ブルドーザーのブレードのような大きなバケットが外向きに付いており、足元がタイヤであることから運搬作業に向いています。

  • サイズ:バケット容量0.4立方メートル、運転質量3tのミニサイズから、バケット容量20立方メートル、運転質量200t程度まで何種類ものサイズがあります。
  • 用途:同じく多くのアタッチメントがあり、土砂や骨材の積み込み・運搬、堆肥の切り返し、除雪作業、清掃作業など様々な作業を行えます。

ダンプトラック

「ダンプ」とも呼ばれる、土砂を運ぶためのトラックです。小さくて小回りの利くものから、大型で大量に運べるものまで様々なサイズがあり、いろいろな場面で活躍しています。

  • サイズ:積載量35tから200t超まで、様々なサイズがあります。
  • 用途:建設現場、宅地造成、採石場、ダム工事、トンネル工事、ゴルフ場建設など、活躍の現場は多岐に渡ります。

建機・重機の主要メーカー

ここでは、国内の建機・重機の主要メーカーを紹介します。

ヤンマー

  • 社名:ヤンマー建機株式会社
  • 取扱商品:ミニショベル・油圧ショベル、ホイールローダー、キャリアなど
  • 特徴:小型から中型までの小回りが利く建機・重機を取り扱っています。エンジンも自社製で、信頼性の高いメーカーです。

日本キャタピラー

  • 社名:日本キャタピラー合同会社
  • 取扱商品:油圧ショベル、ホイールローダ、ブルドーザ、ダンプトラック、スキッドステアローダ/コンパクトトラックローダ、土工用振動ローラ、履帯式ローダ、コンパクタ、モータグレーダなど
  • 特徴:米国キャタピラー社の日本法人で、世界でも大きなシェアを持っています。米国の会社らしく、大型の建機・重機に強いメーカーです。幅広いラインナップがあります。

日立建機

  • 社名:日立建機株式会社
  • 取扱商品:ミニショベル、ホイールローダ、油圧ショベル、環境・リサイクル機、道路機械など
  • 特徴:日立製作所の子会社です。主力商品は各種油圧ショベルで、アフターケアも充実しています。

クボタ

  • 社名:株式会社クボタ建機ジャパン
  • 取扱商品:ミニバックホー(油圧ショベル)、ホイールローダ、キャリアなど
  • 特徴:小型建機に強く、小回りの利くミニバックホーは販売台数世界1位です。

コベルコ

  • 社名:コベルコ建機株式会社
  • 取扱商品:油圧ショベル、ミニショベル、クローラクレーン、ホイールクレーン、ミニホイールローダ、道路機械、作業船など
  • 特徴:神戸製鋼グループの建機・重機メーカーで、油圧ショベルとクレーンが得意です。荷役作業用、軌道作業用、ロングレンジ用、金属リサイクル用など、特殊作業用の建機・重機も取り扱っています。

日本車輌

  • 社名:日本車輌製造株式会社
  • 取扱商品:大型杭打機(パイルドライバ)、油圧ハンマ、アースドリル、鋼管杭施工機、クローラクレーンなど
  • 特徴:大型のパイルドライバのような、ほかではあまり見られない建機・重機を取り扱っています。

建機・重機は奥が深い

建機・重機は一見、ひとつの用途に特化した機械のように見えます。しかし、実際には使い方次第で様々な場面で活躍します。また、同じ種類の機械でも、サイズによって使い方が大きく異なります。さらに種類によっては多くのアタッチメントがあり、より多様な使い方が可能です。理解が深まるほど、より効果的に建機・重機を扱えるようになるのです。


参考: